ロサンゼルスの中心街をこれというあてもなくウオッチングしていたら急に生理現象を催し、ちょっと困った。地図を開いて見ればそこはちょうど市立図書館の近くではないか。これ幸いと早速駆け込んだ。ガランとしたトイレのブースはどれもドアが壊れていたり鍵が無かったりでかなりの荒れようだったが,背に腹は代えられない。
スッキリしたついでに館内のウオッチングでしばし時間を費やすことにした。1階のロピー付近はいろんな風体の人間がぞろぞろ往来し、やけにざわついているし、中庭では何かのパーティの真っ最中だし、ここが本当に図書館なのかと一瞬疑ったほどだ。ところがエスカレーターで上階の閲覧室にあがったら広々とした空間に整然と書架が並ぴ所員以外に人影が見えない。森閑としてまさに「本の森」と言った趣なのだ。更に驚いたのは、棟の一翼が5階から地下3階まで吹き抜けの大アトリュームになっていて巨大な大理石の柱列がそそり建っている。図書館というよりまるで神殿か財閥企業の贅を尽くした研究所の趣。流石は金持ちアメリカと恐れ入った。
建物の横の通りに面して噴水や彫刻を配し、ちょっとした小公園になっていた。その入り口に近くモニュメントのように立つサインは表示面を色タイルで仕上げた一品で、この図書館にふさわしい風格を備えていた。
(2000年 8月)
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