バルセロナとエジソンの関係
ペルーの首都リマでの午前中だけの特急観光で最初に案内されたのが、かつてフジモリ元大統領の名を高からしめたあの事件の跡地であった。もうかなりの年数が経過するが日本人にとってはやはり衝撃的で、観光に欠かせぬ名所となっているのだろう。
高いコンクリート塀の上には更に突芯の連なるフェンスが伸びて物々しい。門扉の隙間から中を覗けば建物はすっかり取り払われて雑草が茂るばかり。「雑草やつわものどもが夢の跡」。わざわざ見学するほどのこともない。
前面の歩道に沿ってそっけないコンクリートブロックが据えられバルセロナと標記記されている。つまりリマの道路標識というわけだ。対面する歩道にはこれと直交する向きでトーマス・エジソンの表示。ということは旧日本大使館はバルセロナ通りとエジソン通りの角地にあったということだ。意外な発見をしたようでなんとなくうれしくなった。いかにも唐突な通り名に何が起こるか分からないこの国らしさを感じた。
あたりは清閑な住宅地でポツポツと中層マンションが点在する。そのマンションの賃料が事件のさなかにハネ上がったそうだ。
つぎの観光ポイントに移動するバスが新築されたばかりの新大使館のわきを通った。坂道から見上げる建物は白亜の要塞といった趣で、その立派さと警備の物々しさにビックリした。
(2000年 8月)
バルセロナの道標
マス・エジソンの道標
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