心のうちを見透かすようなギョロリとした両目とぜんまいのような奇妙な鼻。壁に描かれたこの不思議な顔への思いが私をネパールの旅へと誘った。
この国の首都カトマンズでお目にかかった顔の主、ボダナート・ストゥーパの印象は更に奇妙なものだった。四周を見渡すように顔は四角い四面の壁に描かれ、お椀を伏せたような半球の上に載せられている。頭の上には縦長の四角錐の頂部に円形の飾りをつけた帽子を載せている。
つまり、ストゥーパ全体が四面の顔と丸い胴体を持つ人形のように見え、子供が積み木細工でこしらえたような、殆ど童話の世界の造形なのだ。
もっともガイドの説明によれば、このカトマンズを代表するストゥーパはネパール人の熱い信仰の対象であり、それ自体がマンダラの構造をなしているとのこと。描かれた目は四方を見渡すブッダの知恵の目であり、常に変わることなく世界を照らしているというから、崇高にして有り難い図像である。
日本では常に仏様の顔も姿も荘厳で慈悲に溢れるものとして造形される。国と民族によって変容する仏の一端を見たように思ったのは私だけであろうか。
(2003年 1月) |
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| 進入路からの眺め |
半球の下は円形の建物になっています |
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