ルネッサンス時代の壮麗な建築物が随所にちらばり、芸術の香りがかぐわしいフィレンツエに「捨子養育院」という名の建物がある。観光客で賑わう通りを外れて静観な広場に面する、アーチとコリント式の柱列が並ぶ端正な建物だ。
十五世紀初頭、繁栄を極めたこの地でも子供を養えない貧しい人々は多かったのだろう。それにしても、そんな捨子を育てる孤児院が美術館のように立派なのだ。これも時代の反映だろうか。その端正な建物にほほえましい表情を与えているのはアーチとアーチの間の円の中に浮き出た捨子たちの可憐な姿態だ。これはルネッサンス期のサインではあるまいか。
当時の赤ちゃんのユニホームなのだろう、布帯のようなもので海老天のようにぐるぐる巻きにされているのが面白い。赤ちゃんの顔がどれもかわいく天使のように清らかだ。
建物の一部は今では幼稚園になっていた。二階が絵画館になっていて、美しい修道女が布巻き姿の子供たちに囲まれている絵が飾ってあった。 |