エジプト第二の都市アレキサンドリアは地中海に面し、ヨーロッパ的な雰囲気が漂う。その昔アレキサンダー大王が築き、クレオパトラが居を定めた都市でもある。観光バスで海岸に面したメイン通りを走ったとき、大理石の純白の外壁にいろんな文字を彫りこんだ建物が目に付いた。
この都市にはヘレニズム時代、世界最大のスケールを誇ったアレキサンドリア図書館があった。その蔵書を保管した記念碑的図書館が最近立てられ、そこを見学することになっていた。着いてみたら何と件の建物がそれだった。円形の建物の外壁一面に世界中のあらゆる国々と民族が用いてきた文字が記されている。まさに知識の集積空間に相応しい装いではなかろうか。
中に入ってみて驚嘆した。見晴るかす大空間にフロアーが何層にもスキップして展開されていて、それぞれのフロアーの書架や閲覧テーブル、本に没頭する人たちが一望の下に見渡されるのだ。最も広い中央のフロアーはちょっとした広場になっていてゆったりした展示コーナーも設けられている。こんな図書館は珍しいが、そもそもこんな魅力的建築物自体私にとって始めて体験するものだった。これぞ古代における知の殿堂を現代によみがえらせた空間と言えるのではなかろうか。 |