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ルーマニアのブカレストから隣国ブルガリアの首都ソフィアへの移動は夜行列車であった。列車の旅も悪くない。私の脳裏には映画で観たオリエント急行の優雅な移動空間が浮かんでいた。
しかし、同じ列車の旅でもブルガリアンエキスプレスでのそれは大違い、期待は無惨に砕かれた。汚い、狭い上にサービス最低ときた。三人一室の個室は各自のトランクを運び込んだらもう足の踏み場も無い。仕方無しに着の身着のままでカイコ棚のベットに潜り込んだ。もっともわれわれはまだ恵まれた方。翌朝聞いたら予約が他のツアー客とダブっていて一部屋の三人があぶれてしまった。内二人は車掌室に入り、車掌とわが女性添乗員はかわいそうにも廊下に立ち通しで一夜を明かしたとのこと。
早朝到着したソフィアの駅で目に入ったのが黄色いタクシーの群れ。一様にボディの四周に表示した大きな数字はなんだろうと思ったら、これがタクシー会社の電話番号。中にはキャッシュカードの図柄を張り込んだものもあって、カード支払もOKという意味。タクシー競争の激烈さが忍ばれる風景であった。
(2002年 5月) |
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